また箱根に行くwith台風8号~→´22.08.13

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 1時間ほどで、A奈は起きた。完全に寝落ちたというわけではなく、仮眠程度のものだったらしい。  ボサボサ頭にぼんやり顔で、晩酌に加わる。 「ねえ、小学校の頃、名札って付けてたっけ?」  私はさっそく前ページの疑問を相談してみた。 「いやあ……覚えてない」  そもそも、寝起きに聞く質問じゃなかったか。  コップを傾けつつ、雑談をのんびり交わす。  コンビニで買ってきた地ビールが美味しい。私とA奈で違う種類の瓶ビールを買ったので、半分ずつ分けて飲み比べてみる。 「私はこっち好きだなあ」 「味、全然違うね」  A奈は最近、サントリーが出している、ワインのソーダ割の缶がお気に入りなのだという。 「これ飲みやすくて美味しいのよ」 「あら、ほんとだ」  その後、熊野はその缶を見るたびに買うようになったとか、ならないとか。 「プリッツはやっぱりサラダ味がいいよね」とA奈。 「確かにサラダ味美味しいよね」  この日持ってきたのは、ロースト味。何でも、A奈のお母さんが買ってきてくれたらしい。A奈本人は、サラダ味派ということだった。 「明日、朝風呂入るよね」 「入る、入る」 「何時くらいがいいかな」 「朝ごはんが8時だから、7時とか?」 「じゃあ、6時半くらいに起きればいいか」  先ほど仮眠を取ったA奈だが、やはり目がぼんやりしている。彼女ほどではないが、私もそこそこ眠い。やはり、4時起きは早すぎる。  友人同士で集まると、どうしても夜更かししてしまうし、したくなるものだが、眠ければ欲に任せて、早く寝るのもありだろう。  何せ、本番は明日なのだ。今日は、明日を楽しむために前乗りした、くらいのつもりでいい。  夜更かししているその時は楽しいが、たいてい翌日には後悔するのだ。  わかっている、いつもやっているから。 「寝るか!」 「寝よっか!」  そうして、私には珍しく、日付の変わる前に布団に入ったのである。 →→NEXT:また箱根に行くwith台風8号~→´22.08.14
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