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最初の目的地、二宮神社の駐車場についた。
駐車場に車を突っ込んだところで気づく。……これは満車だ。
さてどうしようかと少し待っていたら、1台空いた。
お、これはいい流れではないか?
K子さんと2人、ほっとしつつ車を出た。
報徳二宮神社は、名の通り二宮尊徳(金次郎)を奉る神社である。彼は小田原出身なのね、知らなかったよ。
木々に囲まれた参道を歩く。小ぢんまりとした境内が、何となく二宮報徳らしいなあと思った。
まずはお参りをする。それから、授与所に向かう。熊野恒例の御朱印もらいタイムだ。
ふと横を見ると、K子さんが何か手に取っている。
「何ですかそれ」
「コイのえさだよ」
「コイのえさ?」
なんでも、すぐそばの池にコイが泳いでいて、エサやりができるらしい。
「コイのえさ……」
ふと思い返せば私、人生で1度もコイのえさやりをやったことがない。ポツリとこぼしたら、K子さんが驚いた声を上げた。
「コイのえさやり、やったことない?」
「ないですねえ。あれ? 何でだろ」
「池来たら、とりあえずエサ買わない?」
「え、そんなノリなんですか?」
我がウン十年の人生を振り返ってみる。コイ自体はよく見る。実家近くの川でたくさん泳いでいた。今もいるのかはわからないが。
池のコイも見たことがある。大きな公園の池を覗くと、黒い影がスーッと泳いでいるのがわかるのだ。あ、コイがいる、なんて言うのも定番だ。
しかし、エサやりまでできたのだろうか。いや、売っているのを私が気付いていなかっただけだろうか。それを言ったら、同行している家族や友人だって、エサを買おうとしたり、探したりはしなかった。
「うーん……私の周りも、エサやりする人っていないような」
「そうなの? こっちみんなエサやりするよ」
これが果たして土地柄の違いなのか、はたまた関係ないのか。たまたま私がエサやりをしたことがないだけで、もしかしたら同郷の友人にも、絶対エサやりする主義がいるかもしれない。
これを読んでいる皆様にも、ぜひお聞きしたい。
池に行ったらコイのえさやり、やる?
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