また箱根に行くwith台風8号~→´22.08.14

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 車は芦ノ湖を離れて、仙石原方面へ向かう。  この旅本来の目的である、星の王子さまミュージアムに行くためだ。  湖を背にして県道75号を走ると、右手になだらかな丘が見えてくる。ススキが一面に広がる――仙石原すすき草原だ。 「うわあ、何これすごい!」  この辺りは来たことがないと言う。A奈が歓声を上げた。  人の背丈ほどもある立派なススキ。その中に、1列だけ人が登っているのがわかる。あの1本道が丘を上がる唯一のルートで、みんなそこに殺到しているのだ。 「いいな、あそこ歩きたい」  A奈が興奮気味に提案した。 「今から行けないかな?」 「どうだろう?」  時刻は昼を過ぎている。仙石原を散策して、星の王子さまミュージアムに行って、湯本のルッカの森に行く。これを夕方のうちに――正直、きつそうな気がした。 「ちょっと時間厳しいかな……あれって、先まで行って、また同じ道を戻ってこないといけないのよね。確か」 「あ、そうなの。あれ、行って戻らなきゃいけないんだ」 「そう」 「どこかに続くのかと思ってた」 「続かないのよ」  子供の頃、家族で来た時に少し上った記憶がある。運動不足の両親とインドア派の子供たちで構成された熊野家、確か途中で断念したのだ。 「行くなら、時間作ってしっかり歩いた方がいいかもね」 と私は言った。 「そしたら、今度また来た時の候補にしよう!」 「そうしよう、そうしよう。また来たらいいんだから」 「箱根なんて近いし」 「今日は、星の王子さま行こう! 無理しないようにしよう」 「おーけい」  星の王子さまミュージアムそのものについては、前々章で散々語ったので、今回は割愛する。  しかし、前回と違って人が多い。そりゃそうだ、お盆だもの。  先月はガラガラだった駐車場には、案内係がいて、ここに停めろと指示をする。私が1人で来た時は誰もいなかったから、どこに停めようと自由だったのに。  さて、写真はそれなりに撮っていく。が、いかんせん人が多いのでどうしても映り込んでしまう。  唯一、回避できたのはこれ。  奇跡の1枚と呼んでいいほど、どこかに人が映ってしまうのよ。 7e1d518d-4f9f-463f-98b0-014109de642b
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