また箱根に行くwith台風8号~→´22.08.14

10/14
前へ
/281ページ
次へ
「これこれ、本当はこれを食べてほしかったのよ」 「じゃあ、買っていこうかな」  A奈、焼きモンブランを3つお買い上げ。自分と、両親の分。 「よし、私も買おう」  熊野も焼きモンブランを2つお買い上げ。自分の分。 「それとね、このどら焼きも美味しいの」  そう言って、どら焼きを追加。自分の分。 「あと、有名なのはバームクーヘンね」 「菜名がくれたやつよね」 「そうそう」 「あれ、美味しかった」 「そりゃ、よかった」 「これは、姉ちゃんたちにあげよう」  A奈、お姉さん一家へのお土産にバームクーヘンのハーフを買った。 「せっかく来たから、私も買おう」  熊野も、カゴに同じハーフバームクーヘンを入れる。当然、自分で食べる。  めいめい、欲しいものをカゴに入れたところでお会計。  焼きモンブランが2、3個にバームクーヘン。2人とも、大体似たような買い物をした。  しかし、ふと思う。  A奈は、これらを自分と家族とで食べるのだ。  一方の私は、これを1人で食べようとしている。  おや?  何かがおかしい気もしたが、違和感はその辺に投げ捨てておいた。そう言えば、パンもあるのだと思い直したが、それがどうしたで片付けておくことにする。  それよりも。 「買えてよかったね!」 「あと少し遅かったら、売り切れてたかも」  そうだ、まずは手に入れることが大事なのだ。  体重とかカロリーを考えるのは、その後でよい。何なら、ずっと考えなくてもよい。 「じゃあ……帰ろうか」 「帰るか」 「ここからが長いもんね」 「そうね」  いや、その前に。 「ちょっと、トイレ行っておこう」 「あ、私も行っておこう」 「トイレ大事だからね」 「大事、大事」  店に併設されているトイレに、A奈と私とで交互に入る。  よし、これで思い残すことはない。  車は旧東海道を左に曲がる。  帰路につく他の車たちに混じって、東京に帰る。
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加