また箱根に行くwith台風8号~→´22.08.14

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 目的地の駅に到着した時には、19時半近くになっていた。 「ごめんね遅くなって!」 「ううん全然! 本当、ずっと運転してくれてありがとう」 「いやいや、楽しかったよ」 「私も楽しかった! 行ってよかったよね」 「うん、行けてよかった!」  私を見送ろうと、A奈も車から降りる。 「菜名、忘れ物ない? スマホちゃんと持った?」 「うん、大丈夫」  自信たっぷりに答える私。 「本当?」  疑ったA奈が、助手席のドアを開けて中を覗いた。 「ちょっと!」  手には、旅行中のBGMに大活躍した、私のウォークマン。 「ティッシュの上に置いてあったよ! 大事なもの忘れてるじゃん!」 「うははは」 「菜名~しっかり~」 「最悪、忘れても取りに行けるしね」 「そうだけどさ~」  再度、忘れ物がないか確認した。私の方でも、確認する(当たり前だ)。 「よし……じゃあ、帰るか」 「そうだね」 「また遊ぼうね」 「遊ぼう」 「旅行もしよう」 「草津も行こう」 「やりたいこと、やらなきゃね」 「箱根も行かなきゃね」 「とりあえず、普通にご飯でもいいし」 「うん、また連絡するよ」  キャリーバッグを、しっかり持ち直した。 「A奈、気をつけて帰ってね!」 「菜名もね! 気をつけて」  お互い、手を振りながら別れた。  そんな会話をして別れたものだから。  また、A奈とどこかへ出かけたり、遊びに行ったり、旅行するものだと、私は勝手に思っていた。  お互いの予定もあるから、はいじゃあ1か月後に、とはいかないまでも。  この先の秋冬、シーズンごとにでも会えたらなと、ぼんやり思っていた。
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