食べるだけの旅、それは終わりのない挑戦

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「ほほう……」  いちごを使ったお菓子に、ジャムに、ゼリーなど。どれも美味しそうだ。  食べたことはないが、妙な確信があった。こういう、生産者のお店で売られている加工品は美味しいと、相場が決まっているのだ。  お土産を買うなら、ここにしよう。  というのも、冷凍餃子は1度溶けてしまうと食べられない。  自分への土産なら、自宅に配送すればいい。しかし、人にあげる場合、持って行く間に溶けそうだし、かと言って相手にいきなり送りつけるわけにもいかない。 「さて、誰に何を渡そうか」  そんなことを考えていると、N子が戻ってきた。 「私、ここでお土産買って行くわ」 「ほう。私も少し買おうかな」  カゴにポイポイ商品を入れ、レジに並び、意外といった値段に目を丸くし、我々は店を後にした。  いったんお土産を車に置いてから、またレストランに向かう。  時間はあと10分ほど。 「行って待ちますか」 「ですな」  店の前に行くと、もう予約客を順番に案内していた。我々も、ちょうどいいタイミングで名前を呼ばれる。 「はい、はーい、○○(N子の本名)です」  並んでいる人たちの間をすり抜けて、入店した。  なるほど、11時前から少しずつお客さんを案内して、時が来た瞬間にレディーゴーというわけだ。  そして、その時は来た。 「よし、行こう!」
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