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帰り道、N子の実家に寄って、ご両親に挨拶した。
お家に泊まったこともあるし、N子がまだ免許を取っていなかった頃は、お母さんの運転で観光地に連れて行ってもらったこともある。
おそらくN子の友達で、県外の人なら、私がダントツでお世話になっていると思う。
まあ、県外から何度も来る私の方が、どうかしているのだろう。
気持ちは、ちょっと友達の家に、地元に行くくらいのものなのだ。
実際は、100km以上離れているけど。
ちょうど、レーズンパンを焼いたところだからと、お母さんが持たせてくれた。
大学時代からお世話になっている私は、よく知っている。お母さんの作るパンがとんでもなく美味しいことを。
「これ、明日の朝ごはんにしようか」
「そうしよう」
1日目の昼と夜、2日目の昼とおやつが重いから、朝はいっそなくてもいいかと話していたのに。
やはり、食を愛する者には食が集まってくるのだ。
幸せだなあ。こんにゃろめの、にゃーごにゃご。
N子の家にやってきた。
少しだけ時間を置く。
お腹が空いているかと言われると、首は縦に動かない。
いや、待ってくれ。食べないとは言っていない。お腹は空いていないだけだ。それと、餃子を食べるかどうかは別問題だ。
そうとも、そんなことを言っていたら、日付が変わってしまう。いつまで経っても食べられない。
「よし、そろそろ焼くか」
「焼くべ」
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