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翌朝。
N子が貸してくれた敷布団の上で、時折目を覚ましては、また寝るを繰り返していた。
部屋はまだ薄暗い。6時か7時くらいか。
昨日ずっと運転しっぱなしだったN子も寝ている。
だったら、まだ寝ていてもいいだろう。
とりあえず、N子が起きてたら起きよう。
そしてまた目を閉じ――N子がトイレに行くときのドアの音で目が覚めた。
さすがにいいか。起きよう。
後から思えば、どうして自分で時間を確認しなかったのか、不思議である。
「おはよう」
「おはよう」
「ずいぶん寝たね」
とN子が言った。
「そうかい?」
「うん、だってもう9時過ぎてるよ」
「ええええ」
ここでようやく、自分の目で時刻を確認した。
「まだ早いかと思ってたよ。だって――外、暗いし」
「雨戸閉めてるから」
言うなり、N子はそれは勢いよく雨戸を開けた。
「なるほど雨戸ね――ぎゃあああ」
日光を直接目に受けて、再び布団に倒れこんだ熊野であった。
先日もらった、N子のお母さん特製レーズンパンを食す。
「目玉焼きとかウインナーとか焼く?」
「ん、いいや。パンだけで」
バターの旨味たっぷりのパンが2つ。これで充分だ。
我々には、まだこの後お昼ご飯とおやつが待っている。
戦いは、これからも続くのだ。
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