食べるだけの旅、それは終わりのない挑戦

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 ランチはパターンが決まっていて、肉系のおかずに、ご飯とサラダとみそ汁が付く。  洋食のおかずに、みそ汁とは渋い。素晴らしい。  ナイフとフォークで食べるステーキもいいけど。コンソメスープとパンで食べるステーキもいいけど。  僕たち日本人、ご飯を箸でかき込みたいのよ。  身体はみそ汁を求めているのよ。  定食バンザイ。  注文後、まずはサラダがボウルでやってきた。 「すみません、今お皿がなくて……」 と申し訳なさそうに言う奥さん。  本来は、お盆に全て乗っけて来るらしい。なるほど。  トングと取り皿で代用できるのは、ここが居酒屋だからか。  まあ、口に入ればなんだって同じだ。N子と仲良くサラダを分けて、草食動物よろしくもしゃもしゃと食む。  回らない頭を無理やり回して、なんでもない雑談を交わしながら、肉を待った。  ついに、その時が来た。その時、歴史が動いた。 「お待たせしました~」  目の前に並べられるご飯、みそ汁、――サーロインステーキ。  東京の自宅から離れること、約150km。  食べたかったごはんが今、目の前に。 「いただきます!」  肉を食べる。和風ソースにして、大正解だった。  すぐにご飯を口に入れる。  間違いない、肉は世界を平和にする。人の心に平穏と幸福をもたらし、未来に希望と活力を与えてくれるのだ。 「うんま……」  食レポかやらせか、というくらい感動してしまっている私である。 ↓サーロインステーキ、ご飯、みそ汁。最高。  小鉢はきんぴら、付け合わせはブロッコリーとマッシュポテト。  最初、玉子焼きかと思った。eb888403-59c7-4dc3-8348-64807da80121
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