母娘3人、箱根旅→´23.05.24~25

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 さて、祖母には、双子の妹がいる。  この大叔母が、最近ガンで入院した。  今は治って退院し、家で元気に暮らしているが、治療中はぐっとやつれて元気もなくなっていたそう。  祖母が見舞いに行っても、こんな姿を見られたくないと面会を拒否されたと言う。 「この年になるとさ、何がきっかけで一気に衰えちゃうかわかんないよね」 「ただの骨折でも、そこから……なんて話もあるじゃん」  母と私の見解である。  私の両親も祖父母も、みな比較的若いうちに子供を授かっている。  だから、親もじいさんばあさんも、私にとっては元気なのが当たり前だった。  しかし、それがいつまでも続くわけはない。  正月の集まりで、ずっと台所に立って世話を焼いていた父方の祖母は、認知症が始まって、動くのもおっくうになってきた。  幸いに生きてはいてくれているが、できることは確実に減っていくし、若い頃より万が一のリスクは絶対に大きくなっている。  それは、まだ元気な母方の祖母も同じだ。  今は動けるし働けるし、大好きなビールもよく飲んでいる。  だったら、今のうちではないか。 「温泉でも、連れて行こうか」 「ああ、いいかもね」 と母も賛成してくれた。  親孝行とか、義理とか感謝とか、形式ばったものは、母も私も好きではないのだけど。  別に、祖母の接待をしようと言うのではないのだ。  3人一緒に、それぞれが楽しく旅行できたら、きっとそれでいい。  多分、本人もその方が嬉しいはずだ。
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