鶏の、ゆりかごから墓場まで

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株式会社鬼山商事の若鳥生産農場は、豊かな自然に囲まれた郊外に地所を構えていた。 会社理念にも掲げている「今一歩前へ」とは、同業者との競争に勝つためには、つねに新手を考案しないといけない、大手の巨大資本にも負けない、企業体質にするには、どうすればいいのか?社長である鬼山一郎は常に考えていた。 雛鳥トレーニングルーム コッコッコッ、コッコッコッコッ、 トレーニングルームには、回転式、芝生型ベルトコンベヤーが、設置されていた。長さ30メートル、幅5メートルの芝生の上で、雛鳥達が、ジョギングをしていた。 社長である鬼山一郎は、トレーニングルームでは、厳しくて優しい、監督兼トレーナーの存在だった。 髪を角刈りにしていて、Tシャツにジャージ姿、ガッチリした体格で、まさに高校の体育教師のような存在だった。 いいか!あと3分で、きょうのジョギングは終わりだからな、足腰を鍛えんとな、基礎体力が落ちてしまうんだ、苦しいけど頑張るんだ! コッコッコッコッ、コッコッコッコッ、 はい、監督、私達頑張ります、 みんな、頑張ろうね、
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