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「わわわ、私と、お付き合い?!」
「はい、そうです!」
「ほ、本気?」
「当たり前です。嘘で、このような話はしません」
真剣な顔で手を取られて。
私は心臓が飛び出るくらい驚いていた。
「返事は急ぎませんので」
「でっ、でも……」
「ヒヨリさんの都合のいい時に――そうですね、じっくりと考えてお返事をください」
握手をして。
お辞儀をされる。
イズーは、どこまでも紳士だった。
淡いブルーグレイの瞳。吸い込まれそうな海のような深い優しい色。
私は知らず知らずのうちに頬を赤らめていた。
男の人からの告白なんて生まれて初めてだったから。
遊び相手はいつも、リリーだったから。
「そう言えば――」
「なあに? イズー」
ぽんと、手を叩いてイズー。
「泣かないで、とリリーが言っていましたよ」
優しい瞳で。彼は言う。
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