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第2話 天界の執事様のお仕事って大変だ!
しとしと、しとしと。
しとしと、しとしと。
雨が降る。
私は、外で降っている雨を窓際からちらりと眺めながら、自宅の自分の部屋で、もそもそと編み物をしていた。
今日、イズーはやって来るだろうか?
最近仕事が忙しいとかで、会っていない。
会っていないと言っても……まだ三日くらいだけれど。
私は編み物をしていた手を休め、ふう、と溜め息をついた。
「……イズーに会いたい」
天井を見上げ、呟く。
冷たい雨は、昨日から降り続いている。
時には突風も吹くくらい季節外れの荒れた天候だった。
「編み物していても、気がまぎれない」
そう言葉にして。
私は毛糸の塊を纏めて傍らに置いていたバスケットに片付けると、椅子から立ち上がって思いっきり背伸びをした。
壁にかけてあるカレンダーを見つめて、瞳を潤ませる。
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