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「イズー……」
「ヒヨリさん」
「……もう三日も経ってるんだよ?」
「すいません」
ふと、体を離して。
距離を置いて。
目と目を合わせる。
イズーは、相変わらずの優しいブルーグレイの瞳をしていた。
私は、ぷうっと頬を膨らませ言葉を続ける。
「……お仕事は、もういいの? それとも、ただちょっと寄っただけ?」
「いえ、今日の分まですべて片付けてきました」
本当は。
本当は。
まだ、ぎゅっと抱きついていたかったけれど。
顔が赤くなって、それを踏み止まらせる。
「じゃあ、じゃあ、これから自由時間?」
「はい、大丈夫です。存分にヒヨリさんとデートが出来ます」
その言葉を聞いて。
私は満面の笑顔になった。
イズーは、私の手を取ってエスコートし、椅子にそっと座らせる。
そして自分はベッドの上に座り「ふう」と息をついた。
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