第1話 神様につかえる天界の執事様に一目惚れされまして

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「とても――とても大事にされてきたのですね。わかりますリリー。さあ、そろそろ一緒に行きましょう」  そんな言葉を呟きながら。  彼はすっくと立ち上がると、私ににっこりとまた微笑んだ。  つられて私も微笑む。  何だか傍に居ると和む人だった。 「安心してください。リリーは僕が責任を持って天界に連れて帰ります」  また、知らない言葉。  私は再び、ぽかんとした。 「では、そろそろ帰らねばなりませんので……。あ、そうだ、ヒヨリさん。また明日、会えますか?」 「へっ……? え……あ、はい」 「良かった! じゃあ、ここでお待ちしていますね」  そう言って。  彼の姿は、ふっと宙にかき消えた。 (――?!)  夢を見ていたのだろうか?  こんな昼、日中に?  ありえない。  けれど、目の前で起こったことは現実で。  私は――くらり目眩を起こし、その場にばったりと倒れこんだ。
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