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気がつくと、懐かしい白い天井が目の前に広がっていた。
(――あれ? ここは……私の部屋?)
寝ていたベッドから起き上がり、まわりを見回すと、そこは見慣れた懐かしい自分の部屋だった。
「気がつきましたか! ヒヨリさん!」
「ひゃっ!」
横から突然響いて来た声に驚いて私はベッドからごろりと転げ落ちる。
「――っ、痛たたた……!」
「大丈夫ですか?!」
目の前を見ると、さっきの青年イズーが心配そうに私の顔を覗きこんできている。
私は平静を取り戻すと、
「あなた……イズー?」
と、彼に話しかけた。得体の知れない彼に。
「はい! イズーです」
にこりと笑って。
彼は私の手を取り、そっと床から立ち上がらせた。
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