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「驚かせてしまってすみません。あの後――リリーを天界に連れて帰った後、ちょっと気になって様子を見に行ったら――ヒヨリさん、あなたが墓石の前で倒れられていたもので……ビックリしました」
「あなたが、私をここへ?」
「ええ、そうです。あっ、家の場所はリリーから聞いていたので」
「ちょっと、待って」
何もかも。
すべて、わけがわからなかった。
体に嫌な汗が出てくる。
私は深呼吸をすると、
「あなた、何者?」
と、イズーに慎重に訊ねた。
「執事です」
「いや、だから……」
「普段は神様の執事をしておりまして――下界に降り、いろいろと駆け回って仕事を片付けているんです」
「ええっと……」
何から話せばいいのか、わからなかった。
つまり、その、なんだかな。
早い話が。
「イズー。あなた、人間じゃない……わよね?」
「ええ、そうです」
にっこりと。笑いながら彼は言う。
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