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「僕は神様にお仕えしている天界の者です。人間にその姿は決して見えないはずなんですが……ヒヨリさん、あなたはどうやら違うようですね」
私はパニックだった。
けれど落ち着いて整理する。
何度も何度も深呼吸して心を落ち着かせる。
どれくらい時間が経ったのかわからなかったが、とりあえず正気でいられた。
「ヒヨリさんの部屋、可愛らしいですね!」
「……ありがとう」
何となく、お礼を言う。
「あ、安心してください。リリーは間違いなく天界に連れて帰りましたので」
「う、うん」
いいのかな。このマンガみたいな展開。
つまり、と私は一つの結論に辿り着いた。
『リリーを大事にしてくれている人に、悪い人はいない!』
無茶ぶりはわかっていたが目の前にある現実。それが全てだった。
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