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「イズーさん」
「イズーでいいですよ」
「じゃあ、イズー」
「はい。なんでしょうか、ヒヨリさん」
目を細めて。
彼は私を一直線に見つめてそう言った。
(ええっと……とりあえずは……)
私は気持ちを再度落ち着かせて。
「ありがとう」
と、彼に言った。
「リリーを天国に連れていってくれて、ありがとう」
「ヒヨリさん。これも僕の仕事の内ですから気にしないでください。それより身体の方は大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫よ」
椅子に腰かけて。
私は出ていた汗を拭った。
「ヒヨリさんにまた会えて、僕、嬉しいです」
どこから取り出したのか紅茶のセットを取り出し、お茶をいれ始めるイズー。
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