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だから大人しく死んで欲しい。例えあいつに選ばれし相手がお前であったとしても、僕はどうしても納得がいかないし、むかっ腹が立つばかりだ。
そう思って色々用意してきたのに、お前も同じ、だったんだなーー?
僕は見事に返り討ちに遭い、右も左も分からない場所に落とされて今、ここにいる。
身動きが取れない。
声もあげられなかった。
音の後、声を出そうとして無理な事が理解った。
ぼちゃん。ぼちゃん。ぼちゃん。
相変わらず定期的に、そういう音だけが静かなここを支配する。
聞き耳を立てる。
幸い、音だけは正確に聞き取れるようだから、しっかりと、理解るようにぼちゃん音を、ぼちゃん耳に、ぼちゃんぼちゃん、入れていく。
すると聴こえる荒い息遣いと、怯え切った誰かの声。
ぼちゃん、ぼちゃん、ぼちゃんぼちゃんぼちゃんぼちゃんぼちゃんぼちゃんぼちゃんぼちゃん……!
ーーなぁ。何で。何で。いつまで経っても、死んでくれないんだよ。何で。何で。もう、何回も落としているのに。何回も。何で。何で。もう、許してくれよ。
ーーゆるさない。
お前だけは赦さない。
僕を殺した。
ここに落とした。
だからノロッタ。
永遠に、ずっと、ここで、ずっと、僕を殺して、そして、落とし続ける呪いをね……。
ーーゆるさないよ。
お前だけはずっと、いつまでも、僕と地獄を味わえますようにーー。
ー了ー
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