第零章・ーさて、可哀想な僕の話をしようかー

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 僕はその日、よくあるような話が盛り沢山な、よくあるような場所にある、とてもよくある心霊スポットに友人と訪れていた。  肝試しを兼ねて、とある話し合いをするために、僕が友人を呼び出した。  ーー何の用?  案の定、寝ていたところを深夜に、しかも地元では有名な心霊スポットに突然呼び出されて、友人はかなりの度合いで不機嫌になっていた。  ーーお前。本当にあいつと付き合ってるのか?  まどろっこしいのも嫌なので、単刀直入に聞いてみる。  すると友人は益々不機嫌さを隠さずに、僕を睨みながら吐き捨てた。  ーー深夜に勿体振って呼び出すから何事かと思えば、そんな事かよ?  そんな事? お前にとってはそうなんだろうな。だけど、僕にとってはそうじゃない。  あいつとの関係は、僕の人生を初めて彩り、幸せをもたらしてくれたものだったんだよ。  何故だろうな。何故だか無性に腹が立つ。  お前如きがあいつを安易にどうこう出来るものではない。  今日、僕は、オマエヲコロシにきたんだヨ。
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