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みんな被害者だよね!
私には ふたつ上の姉が居る …
その姉の中学時代のあだ名は " 毛虫 ”
女の子なのに? " 毛虫 ”?
その " 毛虫 ”
正確にはアゲハチョウの幼虫らしい …
あだ名がつけられる のは それなりの
事があったからで …
そう …
姉はあの " あおむし ” の絵本に魅せ
られ " コロコロのミドリ色の幼虫 ”
が 平気になったらしく
それを手のひらにのせていたところを
同級生に見られたらしい …
オカゲで …
私は 母と姉が決めた通り に!
姉と同じ中学に入ったので
新入生歓迎会の まだ前 なのに?
それは 入学式の翌日!
その姉の同級生の だから3年生から!
『 おまえ 毛虫の妹だろ!』
と! 私がまだ 小学校を卒業して数日
の! 間もなく なのに?
新しい同級生のみんなと居る時に
それ! 謂われた! の で!
それ以降 私の その 中学校生活の
毎日 は!
" 毛虫の妹 ” が 私のあだ名?になり
姉の事を知らない同級生たちは
" 毛虫の妹 ” なら? " 毛虫? ” と
謂う者も出てきて!
なので 私は身に覚えのない!
" 毛虫! ” と 呼ばれる
事もあり …
… それなら まだ
" 毛虫の妹 ” の方が
まし!じゃん!…
って 哀れにも " 決断 ” を して!
『 ちがうもん!
私は!
毛虫の妹だもん!』
と! なぜか …
キッパリ!と 言い返す私 …
ぁあ … これ! 悲しいぃ ---!
悲し過ぎるぅ --------!
そんな!
わけの分からない結論を見出してしまう
ほど!
姉のセイで そんな目に!あわされた!
私の 中学時代は
暗い過去になったのですが …
それか ら! 懲りず に!
15年後 の 温かい 春の日 …
一人暮らしをしていた私が たまに実家
に 顔を出し
お仏壇に向かい 亡き父と お喋りを
楽しみ それに満足し いざ!
自分の家へと 帰ろうとした時
ふと …
実家の 元姉妹の部屋 で 現姉の部屋
に 足を踏み入れ 自分の昔の私物が残
っていないかと …
部屋の中を グルぅ~! っと
見渡している と …
なにやら? その部屋の
紙くず入のブリキのダストボックス!
から!?
モゾモゾ? ウジャウジャ?
ワイワイ? カサ?
カサカサカサって?
この世の出来事とは思えない!
" 生もの! ” との遭遇!
それは! そこから!
" ちっさな虫! ” が
いっぱ ---- い! 出て き て!
床に 柱に 壁に デスクに 椅子に
いっぱい! いっぱい!
広がっていて!
…ぎゃ--------!
…ぎゃ--------!
…ぎゃ--------!
っと! あまりの驚きに
声にならないまま
心の悲鳴をあげる 私!
それは 恐怖以外の
なにものでもなく!
そこから逃げられるハズもなく?
恐怖! で! 恐怖! の!
" 最終到達点 の 恐怖 超え!! ”
それが 家の中?
部屋の中? とは思えない光景!
お判りでしょうか その正体!
そう それは!
『 !カマキリの赤ちゃん!』
… の 集団!
団体! 団体 の " 行 進! ”
それは きちんと整列せずに!
液体の様にどんどん溢れ出て くる …
その数 数えられないくらい
( 数えたくもないけど!)
みんな!
ちっさいけれど!
けっして! 疑うことなく!
" ざ・かまきり! ”
の! まんま の! その赤ちゃん達 …
「 ど! … どう … しよう!」
これ …
きっと姉が 拾ってきたんだと思うけど
どこから? 外からだよね? どこの?
どこらあたりに あった?
これ … 普通に?
歩いてたら 卵! 道にあったの?
そこに?… これ …
戻してくれば良いの?
それ …
私? 私がやるの?
え?
姉が持って帰ってきたのに?
私が?
でも? いま 姉 ! 居ない し!
ここに こんなに 動いてるのに …
" 清く 尊い 生命の誕生!” に!
立ち会ったのは 私! だから?
なんであの姉は " こう ” なんだろ …
… なんでぇ ---------!
このちっさな命 の 固まり!
なんで? ここの部屋に?
ワザワザ 捨てた? の?
そんな罪もない!
カマキリの赤ちゃん達を
" 数奇な運命に導いた 姉!”
…ダダダダダ!
…ダダダダダ!
…ダダダダダ!
…バタン!
…ちん!
…ちん!
…ちん!
…ちん!
無理! 無理無理ぃ-----!!
も! 絶!
わかんな --------------- い!
…ちん!
お父さん!どうするの ---!
あ!
れ!
…ちん!
私! ユ ル さ! ナ イぃ ---!
そうでしょ! お父さ --- ん!
…ちん!
" 罰!” 罰! 罰あてて! よ!
…ちん!
そ!… お父さん! だってさ!
…ちん!
ねぇ! お姉ちゃんたら
まだ帰ってこないのぉ ---!
…ちん!
も! どうするの ---! あ! れ!
どんどん!ドンドン出てきてるよ!
" 出てきちゃってるの! ” 部屋に!
この! 家の " 中 ” だよ!
…ちん!
ぁ ----! どうするの!
もうすぐ! 部屋から も!
出てきちゃう! よ!
…ちん!
ほんと! 小っちゃすぎるよ!
どうやって集めるの! あの子たち!
…ちん!
だからさ! あの子たち!
言い聞かせたって!
話が分かる? 通じる?
相手じゃないのに !!
もぉ! かんべんしてよ -----!
…ちん!
ぁあ ------!
分んないヤツなのは ---!
お姉ちゃんと 一緒 ?!
お姉ちゃん ゼンゼン わかんない!
…ちん!
でしょ! どうして!
ゴミ箱の中に? なの?
いっつも!
こんなんばっか な!の!
お姉ちゃん て !!
…ちん!
『 も ------!
タスケて-------!!
お父さん ってば!! 』
…ちん!
…ちん!
…ちん!
―
…パタパタパタ…
…パタパタパタ!…
…パタン!
そこへ いつの間にか
帰ってきた姉が おりんの音に
気づいたのか?
にゅぅ~ッ と! 顔を出し
この部屋に入ってきた!
あげく!
「 ねぇ! いま 外でさ!
あんたの中学校の時の
ほら! 同級生だった
美奈ちゃんに会ったから
『 その節は
妹が ご迷惑をお掛けしました 』
って! 謝っといてあげたよ!」
っと?
" お姉さんぶる ” の です!
… は? ミナちゃん?…
ダレだ? それ 知らない …
私 … その ミナちゃん? と
違うクラス? だったし?
何にも " 接点ナイシ!”
だから!
何も! してないけど?
なんだそれ!
ふぅ-------!
「 そ! ありがと …
ねぇ お姉ちゃん!
私! お父さんと!
まだ 話したいからさ
お姉ちゃん もう
自分の部屋に
戻ってて 良いよ!」
… こんな姉なので
私は 穏やかに姉に伝えます …
「 え? そ?
うん じゃぁ ね …」
…パタン
…パタパタパタ…
『 よしゃ!』
私はこぶしに力を込めて!
… じゃ! お父さん
お姉ちゃん帰って来たし
" 自分の部屋に行ったし ”
ふぅ -------!
じゃあ~! 私 帰るからさ!
ちん♪…
「 またね!」
…ぱたん
…スタスタスタ
…スタスタスタ
…スタスタスタ
… ですよ
… アノ頃の " あのあだ名 ” も
もう 想いだしたくもありません …
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