A君が落ちてきた

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A君が落ちてきた

A君が落ちてきた。 僕の目の前に。 彼の下の名前は知らない。 いつもの下校中の出来事。 パァンと何かが弾ける音と暫くの静寂の後、他の生徒の悲鳴が辺り一面に広がった。 彼の顔は見れたものじゃなかったけど、凄く幸せそう。 僕の主観でしかないけど。 少なくとも僕よりは幸せだろう。 羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい。 僕にはできないよ。 「君、こっちに来なさい」 怒声のような声に振り返ると真っ青な顔をした先生が強引に腕を引っ張り、校門に連れていこうとしている。 A君の周りには一匹の紋白蝶がヒラヒラと空に向かって飛んでいた。 あぁ、綺麗だな。 これは僕の人生を変える大きな出来事だ。
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