4人が本棚に入れています
本棚に追加
……そうしてそんな妄想を繰り広げ続けた末。
小学6年生の時だったか、ついに脳内にて、長編二次創作の筋書きが出来上がってしまったのである。
4年生の頃から地道に練り上げ、出来上がったストーリーは、当時の俺にとっては家宝と同じくらいの輝きを放っていた。
……今思い返してみれば、まあ酷いストーリーではあったが、筋は通っていた。
…………………………………それと、多分だけど。
おそらくその頃の俺は、純粋に創作を楽しんでいたと思う。
自分一人でストーリーを作って、誰かと比べる事もせず、誰かに嫉妬することもせず、ただただ、一人で構想を練っていたのだから。
その物語をどう形にするか、と言われれば、漫画しかなかった。
当時の俺にとっては……というより今の俺にも言える事なのだが、「小説」だなんて怖くて手が出せなかった。
……まあ、小さい頃から今に至るまで、全くと言っていいほど本を読んでこなかったものだから、その辺に関する自信など全く無かったのだろう。
「インターネット」で投稿するようなことも、その頃の俺にはとても扱えるようなことではなかった。
だからこそ、その二次創作は「没」と名付けられた記憶のゴミ箱へと、いつの間にか捨てられていた。
思い出そうと思えば思い出せるが、そうしなくとも良い代物だと、当時中2だった俺の心はそう結論付けたのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!