7人が本棚に入れています
本棚に追加
「帰り、うちによってく?」
「ありがとうございます」
「もう敬語でなくていいよ。夢香ちゃん」
「あ、じゃあ私も夢香と呼び捨てでいいですよ。隼人さん」
「え~っ。夢香はさん付けなのに俺は呼び捨て?」
「うん。だって隼人さんは先輩だからね。」
「じゃ、慣れてきたら呼び捨てにして」
「はい。善処しますぅ」
夢香と話すのは楽しい。これからこんな毎日が来るのだと思うと自然とほほが緩む。
「俺んち、ここの301号室。コーヒーでも入れるよ。」
2人で3階までの階段を上る。
隼人の部屋は廊下の突き当り。
ちょうど廊下の電球が切れているようで、隼人の部屋の前は暗くなっていた。
ん?なんかある?
黒い塊が部屋の前にある。
暗くてよく見えない。
なんだろう?
隼人と夢香の足音が近づいていくとその黒い塊が動いた。
「…と、 はやと…」
ん?
塊が伸びた。
たちあがったのか。
そのままこちらを向いたと思ったら、赤い焦点の定まったか定まってないかわからないような目で隼人のほうをじっと見た。
最初のコメントを投稿しよう!