7日

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7日

 今日は療養終了の日。  昨夜、友梨奈先輩から7時に食堂に来るように言われた。久しぶりに寮生の皆に会うから朝からシャワーを浴びたらすっかり疲れてしまった。  翔馬くんと会った夢を見てから、熱は出なくなった。でも、倦怠感は残っていて、少し動いても疲れてダラダラしてしまう。  髪の毛を洗っていて、疲れてため息が出るなんて思いもよらなかった。 でも、今日は会いに行く、翔馬くんに会いに行くんだ。  あれから翔馬くんからの連絡がない。誰かに怒られたならば、私も一緒に謝るつもり。それで許してもらわなくちゃ。  翔馬くんに会いたい。  4階から階段で1階の食堂に降りる。もうこれだけで疲れてしまった。青い顔をした私に先輩が駆け寄る。 「ごめん、大丈夫?」 「大丈夫です…?」  友梨奈先輩と一緒に寮生ではない人がいる。確か、学内のベストカップルなんて言われている藤代先輩じゃないかな? 「あ、この子、藤代彩弓。車を持っている人が捕まらなくて」 「正確には父の車よ」 「車?」 「うん、そう。あのね、翔馬くんがバイクで事故って入院しているの。それがあまりよくないみたいで…」  血の気が引いた。連絡がなかったのは事故にあったからだったんだ!  ふらつく私を藤代先輩が抱きかかえてくれる。 「大丈夫?」 「はい。あの、翔馬くんはどこの病院に?」 「大学病院。行きたいだろうと思って彩弓に車を借りたの。運転は彩弓の彼氏に頼んだのよ。外で待機している」 「先輩たちは4年生で夏休みは大変じゃ…」 「私も孝之も採用試験は終わっているから心配ないわ。友梨奈も内々定もらっているし。孝之は生真面目で運転も上手よ。心配は要らないわ。一緒に行きましょう」  きっぱりとした藤代先輩の言葉に反論の余地はない。  車の中で事故のことを聞いた。3日前の夜、ケーキの箱を持ってバイクを走らせていた翔馬くんは交差点でスピードを落とさず侵入してきた車にはねられたという。  意識はまだ戻らないらしい。 「もしかしたら友ちゃんに会いに来る途中だったのかもしれない。寮に向かう道だったの。ごめんね、今日まで言えなくて」  後部座席の隣で友梨奈先輩が泣きそうな顔をしている。すぐに私を翔馬くんに会わせるためにいろいろ動いてくれていたのだろう。  だから、療養が明けたばかりの私は今、藤代先輩の彼氏さんの運転する車に乗っている…。 「病院で会えるんですか?」  声が震えた。 「ICUで面会時間が一般的なものと少し違うの。8時30分から15分だけ面会できるみたい。翔馬くんのご両親にも許可を取ったから」  友梨奈先輩は手を握ってくれた。
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