第二章 再会

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「私が来る前から、他の輩は全員そこに集合していたぞ。なあ?」 「!?」 カグヤの言葉を皮切りに。 茂みの中から、続々と顔を出す妖たち。 妖狐のすぐ後ろには、座敷童子と箒神も。 目の前にずらりと並んだ妖たちに、カヤはただ呆気にとられるしかなかった。 「どうして……」 という事はつまり、今までのやり取りは全て、ここにいる妖たちに筒抜けだったという事だ。 「…だって、心配だったんだもん!あの子が来てから、カヤ、なんかおかしかったから…」 耐えきれなくなったように、妖狐がそう叫んだ。 「…え?」 目をぱちくりさせるカヤ。 妖狐はそれきり、顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。 すると後ろから、箒神がひとつ咳払いをして。 「盗み聞きなぞしてすまなんだ、カヤ殿。しかし、カヤ殿が何やら思い悩んどることくらい、ここにおる連中なら皆分かることじゃ」 その言葉に、カヤもふと真顔になる。 妖狐の頭を撫でてやりながら、箒神は続けた。 「ワシらは家族も同然。どうか、話して下さらんか。苦しいことは、分かち合うほど軽くなるもんじゃ。のぅ?」 箒神が、妖たちに問いかける。皆、大きく頷いた。 そんな様子に、カグヤは薄く微笑んで、カヤを見やる。 カヤはしばらくの間、黙ってそれらを見つめていたが―― 「………ふぅ」 やがて、肩を竦めて、ひとつ溜め息を吐いた。 「分かったよ。…ありがとう、みんな」 その一言で、張り詰めていた空気がふっと和らぐ。 安堵の笑みを浮かべる一同を前に、カヤの目にも少しだけ、明るさが戻った。 「…長い話になるけど、聞いてくれる?始まりは…もう、千年以上も昔の事だから」 こうして、カヤの口からひとつ、またひとつと、その物語は語られることになったのだった。  
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