(一)

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 ちょうどそのとき、妻の愛生(あき)が奥から現れた。彼女も一緒に公園に行くのだ。  そのタイミングで少女は、驚いたことに、「こちらでお世話になってもいいですか」と言った。  彼女が何を言っているのか、一瞬理解できなかった。俺は妻の顔を見てみた。妻も俺の方を見ていた。  俺は再び少女の方を見た。彼女は冗談を言っているふうでもなかった。あくまでも真面目な話らしい。  あまりに唐突なことになんて言ったらいいかわからなかった。 (続く)
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