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「分かった。
それなら、さっそく、明日でも息子に会ってくれるか。
俺の特別な友達って紹介するから」
「そう言ったの私だからね。
……嫌われないといいんだけど」
子供と相性が悪かったら、結婚はなくなって幼馴染のままだ。どうなるかは、その子次第だ。
「理香なら大丈夫」
謎の自信に苦笑していると、身体に低い音が響いた。
思わず空を見あげると、大輪の花が咲いていた。
二人で並んで見ていると、哲夫が静かに話しかけてきた。
「パッと空で開いて、そのまま消えるよな。
何も残さないと無駄だって思うか?」
哲夫の言いたいことは分かるから、私は何も返せなかった。
「理香がいてくれるだけで、家族は幸せだと思うな。俺も同じだよ。
花火も、綺麗だったって記憶が残るだろ。何もないなんてことないよ」
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