キミと見あげる夜空には

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 ***  郷愁を感じさせる音が耳に届いて、表情が(なご)む。  火花が四方に散って、さらに広がっていく。時間が()つと、少しずつ火花の範囲が狭くなって、中心の玉が地面に落ちると静寂が訪れる。  線香花火ばかりを選んでしんみりしていると、甥たちに腕を(つか)まれた。  「打ち上げするんだ。伯母さんも見ようよ」  子供たちを後ろに下げさせて、倫生(みちお)が着火した。  私たちが子供の時も、父が同じようにしていた。一気に火花が筒から飛び出してきて周りを照らす。  続けて着火したものからは気の抜けた音の後、可愛い花が開いた。金色の花が綺麗。  「近いから、小さくても豪華よね」  志穂さんに笑顔で話しかけると、子供を抱いた彼女が微笑んだ。
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