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「……でも、気持ちは嬉しい。
まず、特別な友達から始めない?
息子さんがいるんだから、自分たちだけで進めるのは駄目でしょ」
哲夫の子供に会ったことはない。会うところから始めないと。
特別な友達と言われた哲夫が微妙な表情になったけど、受け入れるように頷いた。
「分かった。
確かに、いろいろしないと駄目なことあるよな。理香の会社のこととか」
それについては結論は出ている。
適当な時期に退職しようと思っていた。
私は親会社で、元夫は子会社から孫会社へ。離れているけど、同じグループ企業だ。向こうの情報は勝手に聞こえてくる。
同僚全員が優しいわけではない。不幸を喜ぶ人間は存在する。
もう少しで、働いて十年。区切りをつけるには、ちょうどいい。
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