ふわり

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 彼女は答えを出さないまま、そのまま眠ってしまった。よほど疲れていたのだろう。このまま残すわけにもいかないが、かといって連れ帰るわけにもいかない。仕方ないので、少しばかしは隣にいることにした。ゆっくりとした夜の時間が流れていった。夏休みが終わろうとしていた。  境内の辺りの池に目をやった。水面には安心したように寝息を立てている少女と十五歳の私がいた。私は思わず頬をつねった。夢を見ていると思えた。しかしこの景色を私は見覚えがあった。いや、何度も夢に描いた景色だったから、見覚えがあると錯覚したんだ。  どうして彼女にこれだけ惹かれたのか、分かった気がした。  私は昔歌った詩を思わず口ずさんだ。
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