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遥と突然別れてから2ヶ月。
俺は既に大学四年生になっていた。
大学に行くことも減り、遥や「カレ」と出くわすことも無くなったのだが…
俺は未だに、遥の例のアカウントを覗いてしまっていた。
見れば見るほど辛くなるし、付き合っていた頃の遥との差に驚くばかりだが、胸焼けするような不快感や目を逸らしたくなる怒りのような感情を自覚するたびに、俺はまだ遥への気持ちを断ち切れていないことをも確認していたのだった。
あんな仕打ちをされてなお、遥を嫌えない。
それでは自分が辛いだけだから、早く嫌悪感を持つべく敢えてそのアカウントを見るのだが…意に反して全く嫌うことなどできない。
ふとした瞬間に、また前みたいに遥が考え直して俺の元へ戻ってきてくれないだろうかという浅はかな夢を見てしまう。
そんな自分にもいい加減嫌気が差してきた頃だった。
俺がたまたま執筆中の卒業論文の助言を貰おうと、担当教授の元を訪ねた日、帰り際に遥に突然呼び止められたのだった。
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