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「…つまり俺が留学に行っている間に、遥と交際を始めた、と?」
「だからそうだっつってんじゃん。」
あれからとりあえず、俺らは俺と遥の住むアパートに来ていた。
そして二人の関係性やそうなった経緯などを聞いているところだ。
2人はバイト先で知り合ったといい、相手は遥の一つ年上の大学生だった。
「遥…どうして……?」
重苦しい空気の中、俺が遥に尋ねる。
遥は目に涙を溜めながら、ゆっくりと口を開いた。
「だって……だって樹くん…私を寂しくさせたんだもん…。一緒に住んでてもいつもレポートとか論文とか書いてるし、バイトも沢山入ってて忙しそうだし、他にも…」
「そんな理由……!?」
「そんな理由って……私はずっと我慢してたんだよ…!?」
遥が声を上げて泣き出した。
俺は遥が語った理由を聞いて、頭の中でグルグルとこれまでの俺の行動を振り返っていた。
確かに遥の言う通り、俺は遥を寂しい気持ちにさせていたのかもしれない…。
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