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「まあ、こーゆーことだから。じゃあな元彼氏サン!」
遥と一緒にいた男は、そう言って遥の手を引いて部屋から出ていった。
俺はそれを止めることもしなかった…
というか、できなかった。
ただただ自分を責める気持ちが押し寄せてきて、遥を引き止めたり責めたりする余裕もなかった。
長すぎて一緒にいるのが当たり前になっていた二人の関係が、こんなにも突然終わるとは思っていなかった。
だけど、遥のあの目を見ると…
俺との関係をやり直す意志は全く見えなかった。
この部屋には遥の荷物もあるし、まだまだ話し合わなきゃいけないことは沢山ある。
だけど…
このときの俺は、遥の裏切りへの怒りや絶望よりも、自分の不甲斐なさを許せない気持ちの方が大きかった。
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