胸糞注意報

7/18

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「まあ、こーゆーことだから。じゃあな元彼氏サン!」 遥と一緒にいた男は、そう言って遥の手を引いて部屋から出ていった。 俺はそれを止めることもしなかった… というか、できなかった。 ただただ自分を責める気持ちが押し寄せてきて、遥を引き止めたり責めたりする余裕もなかった。 長すぎて一緒にいるのが当たり前になっていた二人の関係が、こんなにも突然終わるとは思っていなかった。 だけど、遥のあの目を見ると… 俺との関係をやり直す意志は全く見えなかった。 この部屋には遥の荷物もあるし、まだまだ話し合わなきゃいけないことは沢山ある。 だけど… このときの俺は、遥の裏切りへの怒りや絶望よりも、自分の不甲斐なさを許せない気持ちの方が大きかった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加