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利用し、受け入れる場所
この店では一日の全ての業務が終わり店を閉めると、店長(オーナーかな)が嬢と私たちみんなを連れて店の近くにある朝までやっている鍋料理の店(広くて畳で寝っ転がれて最高だった)に連れて行ってくれるのが日課だった。
私はそこで毎日色んな話を聞いた。色んな嬢の子と話したし、店長からも色んな話を聞いた。
誰も私の手首の傷跡に突っ込んでくることはないし、私も誰かの火傷の痕や首の切り傷に突っ込むことはしなかった。
やってる仕事は風俗と言われる仕事でも
「どんな子でも受け入れる場所」
でもあると感じた。
「どこかで失敗したことがあって、居場所がなくなった子がたどり着いた場所」
そんな子が多くいた。
「他の仕事が出来ない」と言っていた子がいた。
お給料の問題じゃない。
給料がいいから、こういう仕事をしていると言うわけではなくて、能力的な問題で、または人間関係を築くのが難しくて「こういう仕事しか出来ない」と言っていた。
私はこの時はまだ診断がおりていなかったが、発達障害(ADHD)を持っていて、虐待児だった為、二次障害(双極性障害)を発症しており、自傷行為とOD癖があり、摂食障害に加え、アルコール依存症でもあった。
この、SMクラブでの、皆での憩いの場での何気ない会話。
そんな言葉で私がふと思ったことは、もし私が専門学校を辞めてすぐに「普通の仕事」に就こうとしていたら、まず無理だっただろうな、と言うことだった。
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