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「「おはようございます。」」
「おはよう、浅倉ちゃん。なんだ、飯田も一緒か。相変わらず兄妹仲いいなぁ。」
月曜日、梨香子と篤が一緒に出勤すると佐藤に言われた。
「いや、兄妹じゃなくて夫婦だから。」
「は?な、何、付き合い出したのか。」
「いえ、入籍しました。」
篤の言葉に研究開発一課は、朝から大騒ぎになった。
「おはようございます。」
篤が先輩達に取り囲まれている間に自席に着いた梨香子は、出勤して来た片桐優香に挨拶された。
「あ、片桐さん。おはようございます。」
「随分、賑やかね。」
「あ、片桐さん、知ってた?こいつ、結婚したんだって。」
「えっ。」
横山から教えられた優香は、驚きつつも梨香子の方を見た。
梨香子がそっと頷くと優香は、ため息をひとつ吐いた。
「かえって飯田君に火をつけちゃったわけね。梨香子さん、飯田くんが選んだんだから自信持ちなさいよね。でないと苦労するわよ。」
激励のような言葉をもらって頭を下げる。
「まぁ、音羽はあそこまで嫌われたら諦めるしかないだろうけどね。私はあの子の親友だからあなたとは同僚としては接しても仲良くはなれないと思うの。だからこれ以上は言えないんだ。ごめんなさい。」
「いえ、充分です。ありがとうございます。」
優香と音羽の親友という繋がりが羨ましい梨香子だった。
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