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金曜日、課員全員参加の優香の歓迎会と梨香子達の結婚を祝う会が開かれた。
「俺も梨香子ちゃん狙っていたのに。」
石上の言葉に篤が反応し、梨香子を横から抱き寄せる。
「隆さんには、あげません。」
「飯田、独占欲強い?」
「隆さんみたいな女心分かってて、行動するような人の近くに梨香子は置いておけないっすよ。」
「それでも梨香子ちゃんには見向きもされなかったけどな。」
「それは…私があ、篤さんを好きになっていたから…」
梨香子が口を挟むと周りから「惚気てる」とか「熱いなぁ」とか声が掛かり、顔が赤くなっているのが分かり、さらに顔が熱を持つ。
「入籍はしましたが、今まで通り梨香子は、仕事では浅倉を通します。色々とご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします。」
篤がみんなに頭を下げる横で梨香子もペコリとお辞儀をするとみんなが拍手をしてくれた。
一課で良かったと心から思った。
「来年は浅倉ちゃんが異動か。」
「それなんですが、たぶん俺の異動のタイミングで梨香子は退職すると思います。」
「「えーっ。」」
「飯田、浅倉ちゃんと離れると心配だからって…」
「お前だけの浅倉ちゃんじゃないんだからな。」
「独占欲、強すぎるだろっ。」
揉みくちゃにされる篤を見ながら、一課のみんなが自分を認めてくれている事が梨香子は嬉しくてたまらなかった。
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