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久しぶりに篤が休日出勤になったので、梨香子は結婚のお祝い返しを探しにひとりで駅前のデパートに来ていた。
遠方の親戚への配送と自宅への配送を頼み、喉が渇いたからとなんの気なしに喫茶店に入った事を後悔していた。
「あら、浅倉さんじゃない。久しぶりね。」
窓際の席にいたのは、沢口亜美と小沼由紀がふたりだった。
押し切られて向かい合わせに座っていた小沼由紀の隣に座らされてコーヒーを頼んでいた。
「合コン以来よね。」
「まぁ、あんな話聞いたら、原田さん達も誘わないか。」
由紀のわざとわかっていて言っている感じが嫌になる。
先日の音羽に言われた事も由紀が工藤、原田、長瀬の3人に言ったことが広まっているせいだとさすがに梨香子でもわかっていた。
「どうして…」
「何?」
「どうして、私に嫌がらせするの。友達だと思っていたのに…」
「嫌われてんの、わかってなかった?」
由紀の言葉に沢口が、口を挟む。
「由紀。そこまで言わなくても…」
「別にもう合コンやってもらうメリットないし、はっきり言ってもいいかなって。
最初から気に入らなかったのよ。楽して附属から上がって来て、こっちのグループに顔売ったり、内進組に入ったり八方美人。会社で嫌われて辞めた時は、話聞いてやりながらザマアミロって思ってたのに、いつの間にかいい会社に潜り込んでた。
だったら合コンで、誰か同じ会社の人を紹介くらいしなさいよと思って企画させれば、私の邪魔して、頼まれて幹事やっているくせに当日、私が狙った人を持ち帰る。
だから林さんを獲ってやったのよ。最初は梨香子のためとか言っていても、すぐ手を出して来たし。
別れたって聞いて、清々したのに今度は飯田さんでしょ。
私は原田さん達なんか別にどうでも良かったのに飯田さんを呼びたくてクリスマスだって計画していたのに…」
あまりの自分勝手な言い分と会社での他課での噂に迷惑している現状に梨香子は、珍しく頭にきていた。
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