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相手の詳しいプロフィール、顔写真、髪の毛または爪のかけら。それらをきっちりそろえて提出し、誓約書やら念書やらを何枚も書かされ、慎重にプランを検討する。
介抱したときに私の服に付着していた容介の茶髪をこっそりとっておいたのが役立った。
もう少しグレードアップすれば「毎日必ず仕事でミスをする呪い」とか「公共の交通機関で座れなくなる呪い」、「似合わない服しか着られない呪い」なども選ぶことができた。
けれど、たとえ憎くとも恋する相手を不幸にする気までは私にはなかった。新しい恋人とバーやレストランで楽しく飲酒できないようにしてやるくらいがちょうどよかった。それも、たった3か月の間だ。
あと少しだよ。あと少しでオレンジジュースの呪いは終わるよ。また大好きなお酒をお店で存分に飲める日々が戻ってくるよ、容介。
心の中でそっとつぶやきながら、サンダルの踵を鳴らして夏の夜道を歩き続ける。
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