No title

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No title

金木犀の甘い香りに胸がざわつく。卒業の時は着実に迫っていた。 先輩は、どうして先輩なんだろう。このまま卒業すれば疎遠になるに決まってる。一緒にいるには、先輩後輩以上の肩書きが必要だと思った。 ふいに、ひゅうと風が吹いて枯れ葉をどこかへ運ぶ。冷えた空気が心地良くて、憎らしかった。
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