目指したい場所

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目指したい場所

たまには空を見上げようと思った。名も知らぬ足元の草花は、踏みつけられても上を目指していたから。 でもすぐに太陽が眩しくて視線を落とす。瞼の裏に余韻が残った。 「届きっこないくせに」 物言わぬ雑草に投げた悪態は空に溶ける。心に住まう小さな自分が、けらけらと笑っているような気がした。
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