忘れたくない
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忘れたくない
「誰だいあんた?」 久々の母との面会。車いすに乗った母の言葉は、私だけを世界から切り離した。 母に限ってそんなことはあり得ないと思っていた。一緒に過ごした時間は消える訳がないと信じていたから。 愛情も理屈も大した問題じゃないと分かっていても、私だけは絶対に忘れない。拳を強く握った。
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