No title

1/1
前へ
/100ページ
次へ

No title

公園の錆びた遊具は小さく見えた。この辺りもずいぶんと子どもが減ったらしい。きりんのすべり台は色を失い、役目を終えたように見えた。 私もいつかこの命を全うしたら風となって、誰かの思い出を削ってゆくのかも知れない。けれど風は、世界中の涙を拭ってやれるのだと、私はよく知っていた。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加