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しばらくして、涙を拭く。
『そろそろ帰らないとね』
戻ると、みんなが驚いて固まる。
〔おい…お前…〕
『久しぶりだったので止まらなくなってしまいました。僕も男なんですね』
〔なにかあったのか?〕
『たまにはいいですね、女も』
みんなは戸惑っているのか、これ以上なにも言って来ない。
『もういいですか?早く身体を綺麗にしたいので』
僕は足早に出て、風呂に行く。
そして着物を脱いで身体を何回も洗う。
((なにが、たまにはいいだ…無理して抱きやがて…))
『あれ?土方さん?珍しいですね?こんな時間に風呂なんて』
((どういう風の吹き回しだ?))
『なんのことです?洗ってあげますよ』
僕は、横を叩いて土方さんを座らす。
土方さんは、僕の隣に腰をおろす。
((なんでだ?))
『なんでしょうね?気がついたら大嫌いな女をめちゃくちゃにしてました。おかしいなぁ』
僕と女の間で、ちょっとした事件があって…
その日から女が大嫌いになった
女なんて…
すぐに泣くし…怒るし
めんどくさいだけ
((どうだった?久しぶりの女は))
『うーん…別に。身体は動いたけど…心が…ね』
((まだ引きずってるのか?))
『いえ、そんなことは』
誤魔化すように笑顔で答える。
土方さんは、じっと見つめてくる。
僕は、気づかれたくなくて桶に水を入れて土方さんにかける。
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