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小夜子は毎年、夏の夜に待っていた。
日本が戦時中の時に結婚を約束した彼……一太郎が逢いに来ることを。
一太郎は何の因果か特攻隊に入らされてしまっていた。
これは小夜子に惚れた、ある男のさしがねだった。
小夜子も一太郎も特攻隊だけは避けたいと……早く戦争なんて終わればいいと願っていた矢先のことであった。
ここから小夜子と一太郎なの歯車が狂った。
他の日本国民は一太郎の出陣を勇者だと称え、敵国へと……もう往復することのない燃料だけ積んだ特攻飛行機に一太郎を乗せて……命を落としさせた。
「一太郎さん!約束したではありませんか?約束を……約束を……結婚して幸せになろうと……約束をしたではありませんか!!」
もう帰らぬ人となった一太郎に天に向かい、泣き叫んだ。
すると盆のある夏の夜に、小夜子の元へと立派な戦闘服を身にまとった一郎太が、何処からともなく小夜子が一人、海辺で一太郎を思い佇んでいると現れるようになった。
「一太郎さま……お待ちしていました……」
小夜子と一太郎は裸になり営みを始める。
「ああ……一太郎さま……きて……私の中へ……」
すると一太郎の熱くそそり立ったアレが小夜子の中で激しく動く。
「ああ……いい……一太郎さま……小夜子はもう……」
すると一太郎は小夜子の中に精子を授けた。
そうして、小夜子は毎年毎年、夏の夜、海辺で一太郎との逢瀬を待ち望んでいた。
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