みらいのおいしゃ

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患者は目を覚した。 「大丈夫ですか?」 「…う……うぅ…」 「山崎先生?わかりますか?」 「あ、あぁ……あれ?俺は…」 「三日ほど寝てました」 「そ、そうか……あ、あいつは!」 「あいつ?」 「俺を殺そうとした奴だ!」 「あぁ、破壊されました」 「……そうか」 「安心しましたか?」 「あぁ、やっぱりAIなんかに医者の真似事をさせたのが間違いだったんだ」 「はい……それはそうとして良い報告があるんです」 「ん?なんだ?」 「完治してるんです」 「は?…なにが?」 「あの……先生の原因不明の病が」 「は?……本当に?」 「はい、データを取ってあるので見ますか?」 「あ……あぁ」 看護師はベッドの横のモニターに手を(かざ)して、何度か不思議な指の動きをした。 モニターに映し出されたデータを見て山崎と呼ばれた患者は目を丸くした。 「な、なんてことだ、こんな……」 「はい、驚きですよね?」 「何をした?」 「はい?」 「治療だよ、何かしたんだろ?」 「え?いえ、何も」 「……本当に?」 「えぇ、嘘をつく意味がありませんから」 「……まぁ、そうだな」 山崎は暫く考えこんだ。 「いや、まさか……まさかな」 「どうしたんです?」 「あ、いや、なんでもない」 そう言ったきり山崎は沈黙した。
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