ラブコール!

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ラブコール!

私は観葉植物。ホームセンターで売られている「ポトス」という品種だ。私たちは雑にされがちで、ここの場所でも私たちは雑に育てられていた。人間は嫌いだ。 ある日、枯れかけていた私を、とある女子が買った。どうせ死ぬんだと思いながらも、私はその子の部屋で育てられることになった。 その子の家に着き、部屋に入ると、そこはジャングルのようになっていた。しかも、全ての植物に愛が注がれているのが、近くで見なくても分かる。ここの植物は生き生きとしている。 人間は苦手だが、この子の事は好きだなと思った。ここに居る植物達も、みんなそう思っているはずだ。 そして、その子の部屋で、大きく、堂々と生えていた観葉植物の「パキラ」に、私は恋をした。 植物が恋をするのか? と思う人もいるだろう。 基本はそうだ。普通、植物は恋をしない。私も恋をすることはないと思っていた。 しかし、私は恋をしてしまったのだ。例えこの感情が恋じゃないと言われようと、私は恋だと言う。その植物が好きだと言う。好きな気持ちを偽りたくない。 植物に会話は出来ないから、この恋は一方的だ。 パキラさんに触れたい。お話してみたい。 この気持ちを叶えられることもない。 恋は寂しいものと実感した。 でも、それで好きじゃなくなる。なんて事は起こらない。 例え植物だとしても、好きな気持ちは変わらない。 触れられなくても。お話が出来なくても。 私は好きだと言い続けたい。 「……あ、このポトスちゃん、植え替えてなかった……。窮屈だったよね……。今から植え替えるよ!」 私は女子校に通う、植物オタクだ。恋愛や部活に興味が無く、毎日さっさと帰っては、植物達と戯れている。 今日は、窮屈になっていたポトスを植え替える事にした。作業場は外なので、ポトスちゃんを抱え外に出る。 太陽の日差しが、ポトスちゃんの葉を照らした。なんだか葉艶が良くなっている。恋でもしてるのかな? この思春期めっ! 「よしっ、じゃあ植え替えるよ〜。……あ、そうだ! 観葉植物の寄せ植え作ってみようかな! ちょっとまっててポトスちゃん!」 ダッシュで部屋に戻った私は、どの子をポトスちゃんと寄せ植えするかを考えた。 「んー……、ポトスちゃんと一緒に住みたい子は居ますかっ!」 バタッ!! 「ひぇっ! パキラちゃんが倒れちゃった……」 大きな音をたててパキラちゃんの鉢が倒れた。窓も開けていないのに。 「……じゃあ、ポトスちゃんと一緒に寄せ植えしますか! 行くよっ!」 深く考えるのは苦手なので、さっさと寄せ植えをする事にした。葉に土が被らないように。根を出来る限り痛めないように。 この作業にも慣れた私は、ものの二分で植え替えが終わった。 うん……。我ながらアッパレ。 「あなた達はここね! ここは日も良く当たるし、気持ちいいでしょっ」 太陽の日差しを受け、気持ちよさそうに二つの植物は輝いている。 私は植物が好きだ。改めてそう思った。植物への愛は、周りの人間から気持ち悪がれる事が多い。実際に、私は高校でも虐められている。 でも、私はこの気持ちに嘘をつきたくない。 周りの人間になんと言われようと、私は植物が好きだ。 「私、みんなの事が大好きだよ!」
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