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ひとまず家の電気代がばかにならないので、冷蔵庫は閉める。だが、閉めた手は相変わらず震えている。
あり得ない、どうして…。
いや、冷静に考えろ。可能性はいくらでもある。
よく考えれば、私はあのヨーグルトの隣しか見ていなかった。そこにないのだったら、別の場所にある可能性だって十分にあるはずだ。だとしたら大方、母が整理したときに移動させたのだろう。
何だ。そんなことなら、ちゃんと探せばあるはずだ。全く、冷静さを失うと私はすぐこれだ。視野が狭くなる。
もう一度、家の電気代のことも頭の片隅に置きながら冷蔵庫を開ける。
さっきのは夢で、実はヨーグルトの隣にちゃんとあるのではないかという一抹の希望は二度目見たことでもう消えた。
だがそんなことで臆する私ではない。視線を上に向ける。冷蔵庫の一番上にあるのは、ケーキなどの生ものの類。一目見る。ない。一見してもないなら、奥の方を探ればいい。生ものの類を傷つけないように外に出し、奥が見えるまでひたすら観察する。しかし、そこにはない。
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