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だけど撮影の日に突然、写真撮影の被写体が社長だけではなく私にまで広がったのだ。秘書と写る社長の絵が欲しいと言われて。
もちろん私は全力で断った。だけど社長がニヤリと笑う。
「詩織も参加しろ。社長命令な」
ここで俺様が発動。彼が笑顔で威圧する。
さらにはカメラマンが目を輝かせて「お願いします」と懇願してきて、現場の雰囲気もそっちの流れで動き出し、空気に逆らえず首を縦に振ってしまった。
長い写真撮影が終わり、社長と一緒にスタジオを出る。
「何度見ても、めっちゃ可愛いな」
楽屋でも私に抱きついて、戯れるように耳や頬にキスをしてきた。
ー・・・昔飼っていた犬のようにベタベタと甘えてくる社長と、付き合って一ヶ月が経つ。
なのに。
こんな彼・・・スキンシップが過多気味な彼だけれど・・・男女のソレが未だになかった。
いい年した大人の男女。社長の家に初めて泊まった日は営みがなくても、誠実と思う部分が強かった。だって交際初日なのだから。
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